乳がん検診のすすめ

 最近は、生命保険等のコマーシャルでも「3大疾病」という言葉がよく用いられます。死因のトップは癌で、その次に心臓血管疾患、脳血管性疾患の3つが大半を占めるということは皆さんもよくご存じだと思います。 国立がんセンター発表の統計によると、2005年の女性のがんの死因のトップ10は

1位:大腸がん
2位:胃がん
3位:肺がん
4位:肝臓がん
5位:乳がん
6位:すい臓がん
7位:胆嚢・胆管がん
8位:子宮がん
9位:卵巣がん
10位:悪性リンパ腫

となっています。

ここで言うがんとは、リンパ腫、白血病、脳腫瘍なども含んだ広義のがんで悪性新生物と言われるもののことを指しています。それを年齢別に表示したのが上のグラフで、数字は人口10万人当たりの死亡者数です。当然ながら年齢とともに発生率は増えます。がんは、高齢になると増えるという意味もありますし、またそもそも高齢になって亡くなられるので数字は増えるということです。この中で乳がんの死亡率は赤色の線で示されていますが、若い年齢層での死亡が多いことがわかります。実際、若い女性のがんでは圧倒的に乳がんが多いのです。30歳ころから急増しはじめ、60歳代までのがん死因のトップを占めます。

30代、40代の女性においては特にその傾向は顕著で、その年齢でのがん死因トップ10は

1位:乳がん
2位:胃がん
3位:子宮がん
4位:大腸がん
5位:卵巣がん
6位:肺がん
7位:白血病
8位:すい臓がん
9位:悪性リンパ腫
10位:脳腫瘍

となります。しかし、下のグラフでも明らかなように、乳がんによる死亡が非常に多いのです。

30代、40代の女性は家庭ではもちろん社会でも中心となっているため、忙しく自分の体のことは二の次にしてしまいがちです。健康には自信があるし、特に困っていない。また、家庭にいるため何の検診も受けていないというかたも非常に多い年代です。人間ドックや健康診断として全身のチェックを受けるのも大事ですが、乳がんの検診はおろそかにするべきではありません。公的な補助のあるがん検診はほとんどの自治体では40歳以上で2年に1回です。2年に1回で十分なのかどうかは議論が難しいところですが、少なくとも該当者は受診されることをお勧めします。また、30代で乳がん検診を受けなくていいのかという点も見逃せません。ここまでは主に乳がんの死亡者数について説明しました。30代から40代の平均で死亡者数は10万人に対し10.1人です。それに対し、乳がんの発生者数の統計では3,40歳代平均が10万人に対し69.6人です(2001年統計:がんセンター)。みなさんもまわりでむかし乳がんの手術をした、という方の話を聞いたことがあると思います。乳がんは適切に早期発見して手術・治療を受ければ完全なる治癒も十分に期待できる疾患なのです。

適切な早期発見のために是非、乳がん検診を受けましょう。また、公的な検診に該当しない30代のかたや、40代以上の奇数年齢のかたでも勿論受診することは出来ます。当院では、自費での乳がん検診の場合は9,450円です。電話で予約していただければ日曜以外何曜日でも受診できます。予約なしでも、まずは相談だけでも来院いただければ対応いたします。乳がん検診は、問診・視診・触診・マンモグラフィー検査からなります。当院では、医師・看護師・レントゲン技師がすべて女性です。またマンモグラフィーの機械は島津製作所製デジタルマンモグラフィーであり、最低限の被ばくですむように自動調整されます。マンモグラフィー検査そのものは15分くらいですみますが、準備や説明も丁寧に行いますので多少の時間はかかります。食事の制限や、内服薬の制限などはありませんので検査は午前でも午後でも可能です。自分自身のために、そしてあなたが支えているまわりのみんなのためにぜひ乳がん検診・マンモグラフィー検査を受けましょう。